自治体ビジネス 展示会や広告出稿は本当に効果的か?費用をかける前に知るべき、顧客ニーズの見つけ方

コラム:展示会や広告出稿は本当に効果的か?費用をかける前に知るべき、顧客ニーズの見つけ方

多くの企業がマーケティング戦略の一環として、展示会への出展や専門誌への広告出稿を検討します。華やかなブースや目を引く広告は、一見すると多くの見込み客にアプローチできる魅力的な手法に映ります。しかし、その裏側で「思ったようにリードが獲得できない」「かけたコストに見合う成果が出ない」といった声が聞かれるのも事実です。

本コラムでは、こうした従来型のマーケティング手法が抱える課題を直視し、より効率的かつ的確に顧客ニーズを捉えるためのアプローチについて、具体的なデータと実践的な方法を交えながら考察します。

展示会と広告出稿の「理想」と「現実」

企業が展示会や広告に期待するのは、新たな顧客との出会いです。しかし、現場の実感と調査データは、その理想にいくつかの「待った」をかけます。

展示会の課題:「コスト」と「効果測定」の壁

展示会は、製品やサービスを直接顧客にアピールできる貴重な機会です。ある調査では、出展企業が「顧客に直接提案できる(80.7%)」「関心の高い見込み客が集まる(56.0%)」といった点にメリットを感じていることが示されています。

一方で、同調査では深刻な課題も浮き彫りになっています。出展企業が挙げる課題のトップ3は、「コストが多くかかる(59.1%)」「効果測定が難しい(48.5%)」「開催までの準備に時間がかかる(41.5%)」(※1)でした。

ご経験のある方も多いでしょうが、ターゲットとする顧客が地理的な制約で来場しなかったり、来場者自身も日々の業務が多忙で、情報収集に十分な時間を割けなかったりするケースは少なくありません。結果として、多額の投資と人員を割いたにもかかわらず、得られた名刺は数えるほどで、その後のフォローにも多大な工数がかかる、という現実に直面します。

広告出稿の課題:ニーズとの「タイミング」のズレ

専門誌や業界紙への広告出稿も同様の課題を抱えています。BtoBのWeb広告運用において、常に最大の課題として挙げられるのが**「費用対効果の向上」と「質の高いリードの獲得」**です。(※2)

これは、広告という手法が本質的に「待ち」の姿勢であることに起因します。業務に追われる担当者が、広告を目にしたその瞬間に、自社の課題と結びつくニーズを抱えている確率は、決して高くはありません。

つまり、広告はニーズのない相手には響かないのです。時流に乗ったテーマや全国的な課題であれば偶然目に留まる可能性もありますが、それ以外のニッチなサービスの場合、広告が「刺さる」タイミングは極めて限定的と言わざるを得ません。

顧客は「今」、どこで情報を探しているのか?

では、ニーズが顕在化した担当者は、具体的にどのような行動を取るのでしょうか。その答えは、私たちの日常にあります。

答えは「インターネット検索」です。

2024年に行われたBtoBサービスの購買行動に関する調査によると、サービスの比較検討を行う際の情報流入元として、「オンライン(Webサイトやメディアなど)」が67.3%を占め、展示会などを含む「オフライン」の32.7%をダブルスコアで上回りました。(※3)

さらに、オンラインでの情報源として突出して多かったのが**「検索結果で出た比較サイト」や「提供企業のWebサイト」**でした。

この事実は、現代のマーケティングにおける極めて重要な出発点を示しています。顧客は、課題を認識したその時、まず手元のPCやスマートフォンで検索エンジンを開き、解決策を探し始めるのです。

したがって、企業が最優先で取り組むべきは、顧客が検索した時に、自社のウェブサイトをいかにして見つけてもらうか、すなわちSEO(検索エンジン最適化)対策であると言えるでしょう。お客様から「ホームページからの問い合わせが一番確実だ」という声が上がるのは、この購買行動を的確に捉えているからに他なりません。

【対・自治体ビジネスの秘策】眠っている宝の山「議事録」を掘り起こせ

ここまで、一般的なBtoBマーケティングについて述べてきましたが、特に行政・自治体をターゲットとするビジネスにおいては、さらに強力かつ低コストな情報源が存在します。

それが**「議会議事録」**です。

多くの企業が予算書や事業計画書に注目しますが、「今の温度感」を知る上で、議事録に勝る情報源はありません。なぜなら、そこには自治体が抱えるリアルな課題、将来的な計画、そして予算執行に対する考え方などが、議員と執行部(職員)の質疑応答を通して、公式な言葉で記録されているからです。

なぜ「議事録」が最強のツールなのか?

  1. 無料で公開されている一次情報: 全国の自治体ウェブサイトで原則公開されており、誰でも無料で閲覧できます。

  2. 訪問せずに「本音」がわかる: 営業担当者が何度も足を運ばなければ聞けないような、現場の課題や将来の展望が具体的に語られています。

  3. 圧倒的な調査効率: ある調査では、議事録などを活用することで「200自治体の調査や選定業務が従来の100時間から2時間に短縮された」という事例も報告されています。(※4)

ターゲットとする自治体のウェブサイトで議事録を検索し、自社のサービスに関連するキーワード(例:「DX推進」「窓口業務 効率化」「地域活性化」など)で検索するだけで、課題を抱えている部署や担当者の「生の声」にたどり着くことが可能です。

出展 札幌市議会 会議録検索システム

結論:マーケティングの第一歩は、顧客を「知る」こと

本コラムは、展示会や広告出稿を全否定するものではありません。ユニークで優れたサービスを持ち、タイミングが合えば、大きな成果に繋がる可能性も確かにあります。

しかし、これらの施策に多額の費用を投じる前に、まず立ち止まって考えるべきです。最も重要なのは、顧客が「今」何に困り、どのような言葉で解決策を探しているかを知ることです。

そのための最も確実で効率的な手段が、SEOの観点からのウェブサイト戦略であり、対自治体ビジネスにおいては議事録の徹底的な分析です。

闇雲に網を投げるのではなく、魚のいる場所に的を絞って釣り糸を垂らす。現代のマーケティングにおいて、まず始めるべきは、顧客という魚の生態を深く、そして徹底的に理解することではないでしょうか。

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ベンチコミュニティー株式会社は2022年に元自治体職員が古い体質や前例踏襲をやめて、これからの地域社会を作るために設立した会社です。


**出典

(※1) 株式会社ハンモック「展示会出展の実態調査」(2022年)https://www.hammock.jp/hpr/media/exhibition_research.html

(※2) キーマケLab「BtoB企業における2025年度Web広告予算の実態と展望に関する調査結果」(2025年)https://kwmlabo.com/research-release/4402/

(※3) トゥモローマーケティング株式会社「BtoBサービスの購買行動」調査結果(2024年)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000131156.html

(※4) グローカル株式会社 プレスリリース(2025年)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000148839.html

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